マッコリとは韓国で古くから飲まれている伝統酒です。米を主原料に麦麹で醗酵させたお酒です。米と麹に
よる発酵酒という点では味わい的に日本のどぶろくに良く似ています。
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製造方法
古くから大衆酒として愛されてきたマッコリは、もち米、お米、麦、小麦粉、ジャガイモ等を主原料に、これらを蒸してから乾燥させ、麹と水を混ぜ合わせて決まった温度で発酵させた後、清酒を汲み出さない状態のまま絞り出します。ちなみに、もち米を原料として作った酒をチャップサルマッコリ(もち米濁酒)といい、漉さずに米粒の浮かんだ状態の酒をドンドンジュと言います。 |
マッコリと陶器
マッコリ作りに欠かせないのが<陶器の甕>です。
陶器の甕は飲食物を腐蝕させることなくゆっくりと程良く発酵・熟成させるという特性をもっているため、味噌や醤油、キムチ、塩辛等発酵食品の貯蔵器として広く使われています。昔の人々はその特性を活かしてマッコリを作り、保存容器として利用していました。
陶器の甕は、磁器と比べて基本材料となる胎土の「水飛(器を作る胎土を水に漬けて異物を取り除く作業)工程」を軽く行い意図的に胎土を粗くして器の内部を微細に作っているため、水は通さず内外の空気だけを通す通気性に特に優れています。この通気性の良さがゆっくりと発酵・熟成させるマッコリ製造の重要なポイントなのです。また陶器は余分な水分を吸収して陶器の外へと送り出し気化させながら気化熱を奪うため、温度を調節し、食材を常に適温で貯蔵することができるとともに長期保存にも対応できます |
どんな味でしょうか?
爽やかにして口に残らず、乳酸飲料の風味がします。
微かな甘味と爽やかな酸味が絶妙にマッチした歴史あるお酒です。アルコール度は7度 ぐいぐい飲めま
す。マッコリは自然界の乳酸菌の力を借りて醗酵します。日本酒も同じなのですが醗酵を進ませると乳酸菌
は死滅し残りません。マッコリはその前段階で、お酒として製品化しますので乳酸菌タップリ含んだお酒な
のです。食事を美味しく致します。焼肉、鍋物、キムチ、フライ、中華料理に良く合います。
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マッコリの概要
マッコリの味は甘味と程よい酸味がする。これは麹により糖化された米の甘味である。発酵による酸味と生のマッコリは炭酸発泡の味がする。醗酵の進み過ぎたマッコリは酸味と炭酸が強烈になる。アルコール度数は6〜8%(ビール程度)である。原料は米と小麦が多い。発酵には酵母によるアルコール発酵のほかに、雑菌の繁殖を抑えるための乳酸菌による発酵を伴う。そのためほのかな酸味がある。一般的にマッコリは暑い夏場に冷やした状態で飲むのが好まれる。大きな丼のような器に装い、パガジというヒョウタンで作った柄杓で各自の器に取り分けて飲む。韓国ではドンドンジュもよく飲まれているが、マッコリとの違いは特にない。どちらも、韓国のスーパーマーケットなどでも売られている。生マッコリは劣化が速いので長期保存が不可能である。マッコリは日本統治時代の以前には各家庭ごとに作られていた。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)にも昔はマッコリが多く存在したが、食糧不足によって造られなくなり、現在では海外観光客向けに一部が存在する程度だといわれている。代わりに、ドングリやジャガイモ・トウモロコシを原料にした密造焼酎(カストリ)が多く製造され、チャンマダン(市場)で売買されているという。日本でも近年、韓国料理店の増加に伴って、輸入マッコリが出回るようになってきた。日本産の銘柄も登場しているが「マッコリと呼べるのは韓国産の濁酒のみで、日本で製造されているものはどぶろくである」とするのが一般的です。 |
マッコリと日本酒のルーツについて
醸造に用いる麹も、マッコリが麦麹(クモノスカビ、ケカビ)を使用した紹興酒(黄酒)系の大陸系醸造法を用いているのに対し、日本酒は醸造学的にみて特異な米麹を使用しており、醸造系統が大きく異なる。現在の日本の酒文化/醸造文化及び、日本酒のルーツは諸説あり、日本への南方系稲作文化の九州北部への流入と同時に紀元前6〜500年頃の直接伝来に由来し、既存の大陸系醸造法と異なった独自の醸造法が発展したという説と、紀元前300年頃の北方系稲作文化の伝来の時期から始まるというもの、納豆の類や乳製品の発酵技術のように世界各地で多発的に個別の発展をしたものであるという説がある。特にどぶろく系の酒は、米と水を放置したままでも発酵が進み、偶発的に発見されたものが多いといわれており、マッコリも日本酒もそれぞれの国において、自然発生し、独自に発展した可能性が高い。そのため、現在は両酒とも後者の多発的独自発展説が有力である。『古事記』には応神天皇(『新撰姓氏録』によれば仁徳天皇)の御世に来朝した百済人の須須許里(すすこり)が大御酒(おおみき)を醸造して天皇に献上したという記述があるので、朝鮮半島から日本に何らかの醸造技術が導入/移入された可能性は高いが、『日本書紀』応神天皇19年条には在来系の非農耕民である吉野の国樔(くず)が醴酒(こざけ)を献上したという記述もあり、麹による醸造法は当時既に全国的に普及していたことも窺える。須須許里が実在の人物であったとしても、彼がもたらしたものはせいぜい酒造技術の向上レベルのものであったと思われる。日本酒の歴史参照。
これらの点より、マッコリは日本酒のルーツではなく、全く別系統の酒であるとする意見もあるが、現在の醸造工程は大変似ており、全く別の種類に分類することは出来ない。また大陸との交流が盛んになった1000年前より紹興酒・マッコリ・日本酒は互いの技術の交流による新たなる進歩を遂げてきたと考えるのがやはり自然だと思いマッコリ・日本酒の異母兄弟説を浜田屋は唱えます。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』参考と浜田屋の考察 |