暗黒の一升瓶。
浜田屋オヤジは先ほどから気になっていたラベルの無い一升瓶に手を出した。グラスに注いでみる、茶色の酒が流れてきた。・・・これだよね・・・この色だよ・・・色は申し分ない・・でもヒネ(変質)が心配・・この酒はどうだろう(少し不安)。酒から立ち上る香りは「りっぱだ」 少し含むと 口の中にカラメルのような甘みが漂った、軽めの紹興酒のようなワビサビも感じる。・・ずっしりとした質感は19度というまったく加水していない原酒だからだろう。この酒は間違いなく掘り出し物である。光をまったく遮断した蔵の奥深く20年も間誰にも会わず眠り続けていた偉人を私が起こしてしまったと思った。
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